制度概要
農協中央会のかつての柱事業(現在はみのり監査法人)の監査を行う為に農協監査士をおく必要がありました(現在は公認会計士監査も可能)。
筆記試験に合格すると監査士補に認定され、その後、研究レポートの提出、理事会での選任を受け監査士として選任されることになります。
(厳密には一年の監査経験や2年の組合指導経験が必要)
受験資格:誰でも可能
受験科目:監査論(監査論・監査実務)・会計学(財務諸表・管理会計)・簿記(簿記理論・簿記実務)・農協制度(農協法・農業協同組合論)・関係法(法人税法・民法)
5科目10教科になります。※2020年度の試験では科目が変わるそうです。
合格基準:各科目200点満点で合計1000点中600点以上かつ全ての科目で80点以上で合格 科目合格制度もあり
しかし、この農協監査士、過去問や対策問題集は一切販売されていません。正確には、毎年、JA全中が監査士養成講習会を開催しているので、そちらを受けて対策してくださいってことです。
また、合わせて農協監査士試験に必要な勉強時間について解説していますので、ご覧ください。
監査論
監査論は、名前の通り監査を行うに当たっての理論問題です。毎年、穴埋めが多少でて残りは記述形式をとりなど筆記量が多いのが特徴です。
この監査論で得点をとるコツは「キーワード」を意識する事です。
農協監査士試験の過去問・及び講評はJAグループのHPから入手できる(職員限定?)のでひたすら過去問の講評を読んでどのキーワードが大切かを確認しました。
監査実務
監査実務はかつては穴埋めがほとんどの問題でしたが最近は記述も多いです。また、系統金融検査マニュアルからの出題もあるなど非常に幅広い範囲が問われます。
しかし、出題される範囲はある程度目星がつくのでひたすら過去問をやってプラスで範囲外をやるのが良いかと。
簿記理論
最近はやや難易度の高い問題も出ていますが日商簿記2級を取得し、個別論点を中心にやるのがいと思います。特に、社債・割賦販売・リース等は定期的に出題されている傾向にあるので抑えておいて良いと思います。
なお、問1では仕訳問題が出題されますがここで満点を取れないと合格からかなり遠のきます。なので、仕訳問題は必ずやりこむこと。簿記が苦手な方は、別記事で簿記の考え方を解説していますので、ご覧ください。
簿記実務
こちらは内容はやや変われど過去問とほぼ同様の問題が出題されていますので如何に過去問をやりこむかです。近年では簿記2級レベルの原価計算も一部出題されているので幅広く勉強することが大切です。
また、最後の問は例年同じような問題が出題され数年おきに刷新されるため、やはり過去問対策が有効になります。消費税(仮払い・仮受)、原価計算、税効果会計、有価証券は抑えておきましょう。
財務諸表
受験生の利き腕を、破壊するレベルの記述試験です。この科目は、なんと言っても記述。キーワードをしっかりとおさえ、間違っていても部分点をしっかりと取りましょう。分からないからと言って、白紙で出さない様に。
管理会計
管理会計こそ、なんと言っても過去問をしっかりと回すことです。CVP、財務諸表分析、意思決定など出題される傾向が比較的わかりやすいので、しっかりと対策をしましょう。意思決定については、投資の利回りの考え方が問われやすいです。
財務諸表分析の指標の覚え方は、こちらの記事をご参考ください。
法律科目