農協監査士

【農協監査士】民法・農協法の勉強方法ー概論編ー

こんにちは!nonomasuです。
今回は、農協監査士試験の中でも鬼門とされる法律科目の勉強方法概論を紹介します。反響があれば、後日個別論点を紹介しようかと思っております。

 農協監査士試験の中でも、法律科目(民法・農協法)は苦手な受験生の方も多いのではないでしょうか?実は、私も受験生時代はそうでした。

何を勉強していいかわからず、ひたすら指定のテキストを眺めるばかり。

無論、試験の結果は散々でした(確か初年度はE判定)。

私の記事を読んでくださっている方の中にも、「民法・農協法で足切りを食らったらどうしよう」と思っている方がいるのではないでしょうか?

 安心してください。はっきり言って法律科目は「コツ」をつかめば得点が取れます。

もちろん、A判定(得点8割以上)を取得するのは至難の技です。

しかし、足切りを防ぐC判定(得点6割以上)なら実現可能です。

私は最終的に民法・農協法の試験で、得点ランクをB・Cまで上げることができました。

しかし、コツを掴んでいなければきっと足切りだったと思います。

この記事で分かること


農協監査士試験の法律科目の勉強方法

結論です。コツを掴む3つのポイント

 法律科目のコツは、たったの3つのポイントを抑えるだけです。

1.法律文に慣れる
2.条文の趣旨を理解+誰が得をして、誰が損をするか
3.アウトプットをひたすら行う。

 いかがでしょうか?中には、「当たり前」と思われた方もいるかと思います。しかし、試験勉強は当たり前をこなすことが大切です。

それでは、具体的に1つ1つみていきましょう。

法科学校を卒業したり、普段から法務部門にいる方でなければ法律の文章にそもそも慣れていないと思います。

では、どうすれば慣れることができるのか?これをポイント1で解説していきます。

加えて、条文の趣旨を把握することが試験では求められます。

条文の趣旨は、条文集には載っていません。つまり、条文の趣旨を知っていると言うことは、採点者側から見れば、明らかな加点項目になると思いませんか?

そして、最後のポイントは、アウトプット不足です。民法・農協法の試験勉強はとっつきにくさから後回しにしてしまいがちです。

しかし、本試験では、膨大な記述量を1時間でこなすことが求められます。そう、つまり「普段の勉強から本試験に向け記述練習を行う」ことが重要です。

法律文に慣れるには( )を飛ばす

皆さんは、法律の条文を読んだ事がありますか?
読んだ事がない方は次の条文を読んでみてください。

“第二条 この法律において「農業者」とは、農民又は農業を営む法人(その常時使用する従業員の数が三百人を超え、かつ、その資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人を除く。)をいう。”
 ー農業協同組合法 第1章総則 第二条1項より引用ー

この条文の最も言いたいことはなんでしょうか?

「この法律では農業者=農民or農業を営む法人」と言うことですね。

ここでのポイントは、( )の中を読み飛ばしても理解できるということです。

( )には農業を営む法人の詳しい定義(除外理由)が記載されており、補足的な内容になっています。

補足的な内容なので、一旦読み飛ばした方が理解が早めることができます。

もちろん、( )に重要な事項が記載されていることもありますので、一旦読み飛ばして理解した後、( )を読み直しましょう。

条文の( )は一旦読み飛ばして読んでみる

趣旨は条文から判断できない

この条文の趣旨こそ、条文からは読み取る事が難しいのですが、極めて大切な考え方です。

ここで一旦テストの採点者になったつもりで考えてみてください。
膨大な量のテストを採点する中で次のような2つの答案があったとします。

・役員退職金は、総会の決議事項であり自由に設定する事ができない(第●条)

・役員退職金は、総会の決議事項であり自由に設定する事ができない(第●条)。なぜなら、役員退職金を役員が自由に決定できるとすると自分自身の退職金を積み増しするお手盛りが可能となるからである。

あなたは、2つの答案のどちらの得点を高くするでしょうか?

 きっと後者ではないでしょうか。

つまり、法律の趣旨を記載するだけで、採点者側からすれば、「勉強しているな」と思ってもらえる可能性は高まります

なので、学習する時は、①その条文はなぜ存在するか?②誰が得をするか?③誰が損をするか?を自問してみてください。


条文の趣旨を把握する。利害関係を把握する

過去問の答案でアウトプット

 アウトプットが重要なのは、監査士試験に限らずどの試験勉強でも基本となるかと思います。法律科目においては、大量の記述に加え、普段慣れない単語を使います。

うっかり漢字を間違えたり、口語口調で記述をすれば減点される可能性は高いです
 

そして、客観的な根拠はありませんが、得点に結びついていない受験生の大半がアウトプット不足であると思います。

なぜなら、法律科目はどの様に勉強していいか分からないためテキストの通読をして終わりにする可能性が高いからです。
 

実際、私も初年度受験した際は、テキストの通読だけを行い全く答案が作成できませんでした。

2回目の受験の際は、方法を変え、過去問を見ずにアウトプット→自己採点を繰り返していました

まず手を動かす勉強法を行いましょう。
具体的には、過去問の回答を見て法律の趣旨等を把握します。その上で、回答を見ずに自分で答案を作成します。


すると、自分が理解していないところ、曖昧な表現をしているところが浮き彫りになります。

特に、①法律の趣旨を主張できているか?②利害関係を適切に把握できているかに注目しましょう。可能であれば、同じ職場の同僚に採点してもらうと良いと思います。

過去問を使って積極的にアウトプットを行う!

参考書籍

農協監査士試験の勉強では、基本的に参考書は不要だと思っています。

それは、養成講習会や指定テキストが優良だからです。

しかし、民法・農協法に関しては法律の基礎知識を解説している書籍を購入することをお勧めします。

1冊目は「民法がわかった」です。

 

民法の内容をわかりやすく解説しています。基本〜抵当権あたりが監査士試験でよく問われるところです。

民法の趣旨などをしっかりと押さえて対策しましょう。

 

2冊目は「元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術」です。

この本では、法律の条文の読み方に焦点を当てて、解説しています。

特に、農協法への対策として、かなりおすすめの一冊です。

 

モチベーションを維持するには?

 試験全体で、モチベーションの維持が課題になると思います。

特に、法律科目は苦手意識を持たれているとモチベーションの維持が難しくなってくると思います。
 

私のモチベーション管理の方法にはなるのですが、進捗を管理することが大切と思います。進捗管理は決して「計画通り進まなかったから自分はダメだ」と思わないこともポイントです。

そして、大切になるので「ゲーム感覚で行うこと」です。具体的には、過去問を回す際は、Excelで表を作って、自分が解いた過去問を1回目は○2回目は◎などにして、ゲーム感覚で進められる様に工夫します

 

モチベーションは、進捗管理とゲーム性で維持しよう

まとめ

 いかがでしたでしょうか?法律科目は、適切な勉強をすれば高得点を取ることは難しくても、弱点になることはないと思います。最後に、3つのポイントがありましたので再度掲載します。

1.法律文に慣れる
2.条文の趣旨を理解+誰が得をして、誰が損をするか
3.アウトプットをひたすら行う。

 最後に、当サイトが監査士受験生の皆様のお力添えに少しでもなればと思っております。ご質問・ご意見・ご感想がございましたらいつでもお問い合わせページよりご連絡ください。

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